理事長所信
2022年度 一般社団法人 白根青年会議所 理事長
山谷 真 / Makoto Yamaya
スローガン
挑戦
基本理念
~熱く一歩踏み出そう!進もう、前へ、前へ!~
基本方針
- 地 域 一 番 の S D G s 推 進 団 体 に な ろ う !
- 事 業 や 運 動 の 目 的 ・ 魅 力 が 迅 速 か つ 幅 広 い 層 に 届 く 効 果 的 な 広 報
- 経 営 者 に 必 要 な 能 力 向 上 に つ な が る 事 業 の 実 施
- 地 域 を 巻 き 込 ん だ 白 根 大 凧 合 戦 花 火 大 会 の 実 施 と お 祭 り イ ベ ン ト の 参 加
- 育 L O M プ ロ ジ ェ ク ト 認 定 に 向 け た 持 続 可 能 な 組 織 改 革
- 会 員 拡 大
所信
【はじめに】
私は、今から約10年前、バイクに跨り日本一周の一人旅をしました。20代で描いたひとつの夢であり、当時東京で働いていた仕事を辞めての挑戦でした。その旅では様々な地域文化を肌で感じ、その地域に根付いた人々に出会うこともできました。自分の住む「まち」を愛し誇りを持つ人々に対して、感動と魅力を覚えたことが忘れられません。この体験を経て故郷の新潟へ戻り、少しでも「まち」を良くしたいと感じました。起業をし出会ったのが白根青年会議所という学び舎です。「夢を描き挑戦すること」は自分自身を大きく成長させ、新しい環境へ導いてくれます。
本年度のスローガンは、「挑戦」といたしました。「挑戦」とは、できる限りの準備をし、困難な物事や新しいことに挑むことです。どんな成功も、そして失敗も挑戦から生まれます。仲間とともに行動し、成功した時には大きな自信と成長が得られ、また挑戦から生み出される失敗は決して失敗ではありません。次につながる成功の礎となります。情熱をもって今までの自分では選択しなかったであろう挑戦の機会を自ら選択していきます。私たちが挑戦をし、前へ進み続けることは、すなわち持続可能な地域社会を創ることにほかなりません。
新型コロナウイルスによる感染拡大の影響は本年だけでなく、当面の間は続くと推測されます。今まで当たり前に実践していた手法が難しくなり、目に見えぬウイルスと共存をするウィズコロナ、アフターコロナの新しい社会へ柔軟な対応が求められます。私たち青年会議所でも、2020年からいち早くオンライン会議やZoomを活用した理事会を行い、デジタル化が一気に加速し日常的にオンラインを活用する機会が飛躍的に増加しました。さらに今後は5Gによる超高度情報化社会の時代がやってきます。私たちの理念や運動を実現させる手法を新たに見つけ出すことができるはずです。
コロナ禍だからできない。ではなく、今できることに挑戦していこう。
JAYCEEとして、青年経済人として、時代に合わせ、変化しながら明るい未来へ向けて熱く挑戦する1年にしてまいります。
【地域で1番のSDGs推進団体への挑戦】
SDGsは2015年に国連サミットにて採択され、2030年までに「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するため世界中の人々とともに大規模な行動変容を促そうとするものです。2019年には外務省と(公社)日本青年会議所がSDGs推進におけるタイアップ宣言に署名し、そして同年、第3回ジャパンSDGsアワードにて特別賞を受賞しています。
青年会議所の運動は、すでにSDGsとつながるものが多く、そこにSDGsという考え方を取り入れることでより強く、より社会に伝わりやすい運動ができ、それを経験したメンバーはさらなる成長を遂げ、より強い組織になっていくと考えます。また、SDGsは経済活動とも密接に関わっています。今までの会社経営は、「利益の最大化が正義」という一面があったかもしれません。しかし、これからの社会は環境に配慮した経済活動をはじめ、そこで働く従業員の働きがいや、サプライチェーン上でのパートナーシップも重要な時代となってきます。
私達がSDGsを意識しながら運動し、それが私たちの住み暮らすこの地域に浸透した時、持続的な発展の礎を築けるのではないでしょうか。
【ビジネスの機会を】
青年会議所は運動を通じて社会貢献に尽力する一方で、長年にわたりビジネスはタブーとされてきました。しかし、2018年には(公社)日本青年会議所の定款に「ビジネスの機会」が明記され、青年経済人として自らの社業を発展させる必要性が全国的に謳われるようになりました。ルーツは1949年に日本で最初に設立された東京青年会議所の設立趣意書に、「苦難を打開してゆくため採るべき途は国内経済の充実であり、国際経済との密接なる提携である」と記してあります。
今以上に仕事時間だけを増やしより多くお金を稼ぐことではなく、新しい分野に挑戦したり、新しいサービスを展開し、未来を見据え経済を「充実」させていくことにこそ私たち青年経済人としての価値があり、持続可能な経済社会の実現に貢献していかなければなりません。
また、日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏の講演口述をまとめた『論語と算盤』では、「富をなす根源は何かと言えば、社会の仁義道徳、すなわち正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ、論語と算盤は両立する」と道徳経済合一を説いています。
私の考える企業の目的は、「売り手よし(企業)」「買い手よし(消費者)」「世間よし(社会)」による三方良しの好循環を永続的に行うことです。売り手買い手が満足するWIN―WINの関係はもとより、その取引から社会に良い影響をもたらすことこそ、良い商売であるという近江商人による考え方です。
青年会議所は、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会提供を使命とし、世間よしの運動をしています。そこへビジネスの思考を取り入れることで、より幅広い視点で地域へ貢献することができるのではないでしょうか。
私たちの活動はもとより、あらゆる会社や業種で共通用語となる経営数値を読み解くことは未来を逆算して組み立てる力となり、ビジネスの機会創出に大切な思考のひとつであると考えます。この思考は経営だけでなく、私たち青年会議所の運動にもつながります。本年度は、経営者に必要な能力の向上につながる事業を実施し、社業の充実からも地域をより良くしていきましょう。
【広報運動とブランディング】
白根青年会議所は38年に渡り運動を行ってきました。会員だけでなく、行政や企業、地域の方々といった多くの皆様の理解と共感によって支えられています。私たちの運動がより地域の皆様に理解と共感を持って頂き、私たちがこの地域に良い影響をもたらしていくためには積極的に活動を発信し、その事業の成果だけでなくそのプロセスそのものを伝えることにより、白根青年会議所の認知度や社会的存在意義を高めていく必要があります。
今まで中心となってきた紙媒体だけでなく、SNSを活用した情報発信が可能となった現代では情報媒体そのものの量が多くなり、受け手が自分にとって価値のある情報であるのかを取捨選択します。今までの媒体だけでは私たちの活動や存在そのものが届きにくい側面もあり効果的に広報運動を展開していかなければなりません。
文字や写真だけでなく、音声や動画を活用する手法への挑戦も、より多く幅広い賛同と協力を得るためには有効かもしれません。私たちがどのような目的で運動を行っているのか。より良い共感や理解をいただけるよう、継続的に力を注いでまいります。
【持続可能な白根青年会議所へ】
直近3年間は会員の半数以上が卒業を迎え会員数が半減してしまう課題を抱えていましたが、会員拡大を推進し2021年には30名に到達することができました。現状のまま会員減少が続けば、私たちの活動そのものが継続できないかもしれないという危機感を強く感じた反面、当事者意識をもち全体で拡大を進めることができたことは大きな成果です。
私たちが運動を中心とする新潟市南区および西蒲区の人口に目を向けると、2021年の人口は約98,000人で、今後は約1%ずつ人口減少していくと予測されています(新潟市推計)。しかしながら、20歳から39歳までの人口は約18,000人と会員拡大対象者である若者は数多く存在しています。38年の歴史を歩んできた白根青年会議所は、これからも「まち」を良くしたい・自分自身を成長させたい・この組織で楽しいことをしたい、そんなポジティブな青年たちへ魅力を感じてもらえる発展と成長の機会のある組織にしていきます。
会員数が増えると、組織が活性化され、公益のための大きな事業を成し遂げることも可能となり、さらに心のつながった生涯の友と出会う機会も期待されます。1人では足し算だったアイディアも、仲間と切磋琢磨することによって、想像を超えた掛け算となって事業にインパクトを起こします。会員拡大の歩みを止めず、会員と拡大対象者、そして世間の「三方良し」につなげてまいります。
【結びに】
青年会議所は私の人生を大きく変えました。出会う人は熱い想いで地域のために前を見ていました。起業したばかりだった私の意識を、多くの方々が変革してくれました。共に支え合い新たな一歩を踏み出す過程で、考え、議論し、壁に当たり、努力し乗り越えてきたなかで、仕事だけでは得られない学びとかけがえのない友ができました。
私たちが青年会議所で活動できる期間は40歳までの限られた時間です。10年後、20年後の子どもたちが、この「まち」を好きでいてくれるような未来を願い運動を拡大していきます。
できない。ではなく、今できることに挑戦していこう。
今という時代に合わせ、変化しながら明るい未来へ向けて熱く挑戦する1年にしてまいります。